クラムボン新曲「NOW!!!」は、にーよん・よんぱちでネット配信オンリー

2009年07月24日 16:53 | ながみず

バンド「クラムボン」はニューシングル「NOW!!!」をオンライン配信のみでリリースするらしい。そんなうわさを耳にして、東京・目黒のパイオニア(株)で開かれた記者説明・試聴会に足を運んだ。驚いたのは、配信フォーマットが音楽CDを大きく上回る24bit/48kHzのWAV形式ということ。音楽配信の最前線で何が起ころうとしているのだろうか?



■記者説明・試聴会は、録音スタジオとしての歴史もあるパイオニア本社内のハイエンド視聴室「STUDIO HINOKI」で行われた

音楽SNS「recommuni」を運営する(株)レコミュニは8月1日より、バンド「クラムボン」が6月の全国ツアーで披露していたニューシングル「NOW!!!」を独占販売する。recommuni内でダウンロード販売し、フォーマットは24bit/48kHzのWAV形式。DRMフリーで価格は300円だ。

記者説明・試聴会では、レコミュニ(株)代表取締役の竹中直純氏とシニアプロデューサーの高橋健太郎氏が登壇したほか、クラムボンのメンバーであるミト氏が山梨県小淵沢町のプライベートスタジオからSkypeで参加した。


■シニアプロデューサーの高橋健太郎氏

高橋氏によれば、「当初はクラムボンの過去の曲を高音質配信する話で進んでいたが、バンドのアイデアと意向によって新曲を配信するに至った」という。

この背景には「バンドが面白いことをいろいろ考えても、レコード会社が挑戦させてくれない」そんな状況があると指摘し、「シングル市場が減少する中で、レコード会社は新曲のプロモーションを大きく打ち出せないでいる。これを機に、今後は戦略的にネット配信を利用するアプローチも増えてくるのではないか」と予想を述べた。

新曲をネットのみで配信する点については、「テクノ系の楽曲については例があるが、ポップスでは世界でみても珍しい。おそらく初めてではないだろうか」という。

また、ネット配信そのものの可能性について、「ネット配信は、CDに比べてパッケージとしての魅力が低いイメージだが、実はそうではない。作り手のモチベーションによっては、ブックレットデータをCDで一般的な12ページから50ページぶんに増やしたり、未発表テイクをボーナストラックとして加えたり、いくらでも面白いことが実現する。今回のクラムボンのように、アーティストからの要望・注目も強い。今後はこのような新しい提案を考えていきたい」と語った。


■代表取締役の竹中直純氏

竹中氏はrecommuniの経営方針について、「日本では、音楽配信ビジネスで著作権問題が必ずつきまとう。recommuniではそういった問題をクリアしたうえで、音楽の楽しさをユーザーに伝えていきたい。価格に関してはアーティスト側の希望に沿ったかたちで設定している」と説明。説明会後の個別質問では、「CD市場の次がネット配信だとは捉えていない。ネット配信で音楽市場そのものを盛り上げて、CD市場も含めて業界を元気にしたい」と意気込みを述べた。


■クラムボンのミト氏

ミト氏は、16bit/44.1kHzのCDフォーマットと24bit/48kHzの違いについて、「情報量が大きいからなのか、感動が違う。レコーディングした音楽をそのまま伝えられる。これをきっかけに音楽配信の可能性を探っていきたい」と展望を述べた。


■ネットワークミュージックプレーヤー「PDX-Z10」。価格は15万円

試聴会に使用された機材は、パイオニアのネットワーク対応ミュージックプレーヤー「PDX-Z10」。FMチューナー、SACD/CDプレーヤー、DLNAクライアント、iPodのDockからのデジタル接続、ネットラジオの再生——などを備え、多彩なフォーマットの音楽を再生するサーバ—として機能する。

レコミュニは今後クラムボンに続き、ムーンライダースやゴンチチ、ツジコノリコなどのアーティストの高音質配信を予定している。

人気バンドが新曲をネットのみでリリースする。これは、ビジネスサイドのアプローチではなく、アーティストサイドのアプローチであった。「レコーディングした音楽をそのままリスナーに届けたい」。アーティストの想いが音楽配信の未来を一歩切り開いた。

ながみず | 編集部ブログ

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